December 21, 2012

■名越稔洋氏「プルース・リーは、永遠に超えられない。究極にシンプルなキャラクターです」

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名越氏が手がける作品
龍が如く5 夢、叶えし者 予約特典 龍うた -龍が如く5 THE BEST SONGS SELECTION- 全国5大都市マップ 付き




圧倒的な存在を生み出した『燃えよドラゴン』

あえてキャラクターという言いかたをしますが、ブルース・リーは究極のキャラクターですよ。
ゲーム業界のみならず、アジア圏でもっとも影響を与えたキャラクターだと思うんです。
映画の公開当時の盛り上がりを振り返ると、子どものころのオレの感動は、日本中、もしくはアジア中の人が感じたものだったんじやないかな。
インパクトが強く、オレが強いキャラクターを考えるとき、必ず一度はブルース・リーが頭をよぎりますね。
とはいえ、ブルース・リーをもじったところでそれを超える存在にはならないので、頭の中で素通りさせて終わり(笑)。キャラクターを作るときに陥りがちなのは、日立とうとして、いらないものをつけ足したりすることです。
けれど、結局、シンプルで説得力の高いものには勝てない。『燃えよドラゴン』でのブルース・リーは、上半身裸、奇声、
暴れる、で成立するんですから(笑)。
最上級にシンプルなんですよね。”シンプルイズベスト”をスタッフに説明するときにも、よく例に出しています。
物語や筋書きを超越した存在なんて、オレはいまだに生み出せていませんから、尊敬に値するし、そんなキャラクターが作れたらと思っています。
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『タワーリング・インフェルノ』で人生の教訓を得た

オレは子どものころ、映画館に行く機会がわりと多かったので、これも劇場で観ました。
ビルで起こる大火災が題材ですが、火事なんて、それまでテレビの小さい画面でしか見たことがなかったわけです。
劇場の大画面で火事を目の当たりにすることだけでも印象的なのに、さらに、子どもでもわかるような人間ドラマが描かれている。
ひとつの大きな事象があり、そのなかに、緻密に絡み合って影響し合う複数の出来事が織り込まれているんです。
おもしろさと、人を救うかっこよさ、そして感動が詰まった物語に、当時はよくわかっていませんでしたけれど、とにかく「すごい」と思って観ていました。
また、思わず声を出してしまうというか、物語に介入している気持ちが生まれたです初めての映画です。
登場人物といっしょにハラハラ感を共有するような経験をしたのを記憶しています。
この作品は、オレにとっては人生教訓の意味合いも大きかった。
人生には、危険から逃げずに真っ向から戦って、活路を作るしかないときがあります。
そのときは戦わないと、やはり人はついてこない。
何かをしようとするとき、たとえ反対されてもやり抜く意志の美しさを感じました。

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憧れの仕事である超大作『巨人の星』

この作品は子どものころに、たぶん再放送で観たんだと思います。
主人公の星飛雄馬が、野球で父を越えるまでを描いた話で、全182話という超長編アニメだったんです。
でも、これってものすごいことですよ。
2年半以上の放映を見据えてスタートしたんですから、むちゃくちやです。
いまこの企画書を出したとしたら、ただちに却下でしょうね(笑)
「この膨大な物語を提供し続けるんだ!」という意思決定力に感動させ覚えます。
『巨人の星』は、原作のマンガ自体がいいということはもちろん、多くの裏方のサポートがあったうえで、不朽の名作という領域にたどり着いたのだろうなと。
いまではこんなやりかたは実現できないでしょうが、仕事としては理想形と言ってもいいかもしれない。
こんな教科書はほかにないですよ。
作品そのものとしては、オレは「けっこうファンタジックな作品だなJと思っています。
お父ちゃんが、ある日突然ギプスを出してきたりとか、貧乏なのにそのお金はどうしたんだとか、どこに発注をかけたんだろうとか(笑)。
いま思うと突っ込みどころ満載なんですが、どこか説得力があって、いいんですよ。
いつか、こんな企画書を書き上げるようなチャレンジャブルなクリエイターが出てきたら、とてもうれしく思いますね。

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※週刊ファミ通 2012年6月14日号より

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