October 29, 2012

■松山洋氏「私に影響を与えたのはマンガ。その中でも「少年ジャンプ」は別格です」

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松山氏が手がける作品
ドットハック セカイの向こうに + Versus Hybrid Pack ハイブリッドパック (通常版)




『少年ジャンプ』には夢がある

私はこれまで何度となく、「週刊少年ジャンプ」は最高のマンガ誌だと言い続けてきました。
しかし、じつは出会いを語ったことはなかったんですよね。
あれは小学1年生のころ、母親の付き添いで病院に行ったときでした。
自分よりも少し年上のお兄ちゃんたちが、夢中になって「少年ジャンプ」を読んでいたんです。
それで興味を持って読んでみたところ、衝撃を受けました。
それまで、私のなかでのマンガと言えば、『ドラえもん』のようなほのぼのとした作品でしたから、血を流しながら闘っている「リングにかけろ」にとても興奮したんです。
この甘い果実はなんなんだと。
難しい字は読めなくても、絵から伝わる迫力だけで十分に楽しめました。
私はアニメや映画など、いろいろなものを観てきましたが、もっとも影響を受けたのは確実にマンガ、そして『少年ジャンプ』です。
少年ジャンプには夢しか詰まっていない。
別格だと思います。

週刊少年ジャンプ



『ウルトラジャンプ』はとてもいいポジション

「ウルトラジャンプ」の創刊から10年以上が経ちます。
創刊時から追いかけてきた雑誌なので、思い入れがありますね。
当初は大暮維人先生の「天上天下」などを目当てに読んでいましたが、荒木飛呂彦先生の『ステイール・ポール・ラン』が「ウルトラジャンプ」に移ってからは、特別な雑誌のひとつになりました。
当然、いま連載している「ジョジョリオン」も欠かさずに読んでいます。
私は、「週刊少年ジャンプ」はつねに新しい作家を発掘する必要がありますから、たとえベテランの作家であっても、連載を終了しなければならないこともある。
「ウルトラジャンプ」は、そういったベテラン作家の第2のステージになっているんです。
もちろん、ここからデビューする新人もいますし、いまは読んでいて本当におもしろいですね。

ウルトラジャンプ




荒木飛呂彦先生と『ジョジョ』を信じて疑わない

私は「魔少年ピーティー」や「パオ一来訪者」などを読んで、荒木飛呂彦先生のファンになりました。
とくに、『パオ一束訪者』には大きな衝撃を受けましたね。悪の秘密結社によっで「バオー」という寄生虫を植えつけられた主人公が、少女を救うペく戦う物語なのですが、悪によって与えられた力で悪を制するというストーリーに惹かれました。
しかも、敵側の最強の戦士ウォーケンが、最後に「ようこそ来訪者!」と言うんです。
「来訪者とはそういうことか!」と震え、同時に荒木先生の作品がさらに好きになりました。
だから、『ゴージャス★アイリン』を経て『ジョジョの奇妙な冒険』の第1部が始まったときは、本当にうれしかった。
絶対におもしろいに決まっていると思っていましたが、その通りでしたね。
あれから、『ジョジョ』は連載25周年を迎えました。
荒木先生は、第5部が終わるまでほぼ休みなしで連載を続けられていましたから、私は言わば「ジョジョ」とともに成長してきたわけです。
だからこそ、「ジョジョ」の連載が途切れたときの喪失感は相当なものでした。
第5部の後、半年ほど休載されていたのですが、ずっと「早く始まってほしいな」と待ち焦がれていましたね(笑)。
画風やキャラクターの見せかたなど、『ジョジョ』の魅力はたくさんあります。
その中で私がもっとも好きなのは、バトルのエンターテインメント性なんです。
それまでのバトルマンガは、強い者が必ず勝っていました。
でも、『ジョジョ』はそうではないんです。
たとえば、第3部のボスであるDIOは、主人公の承太郎よりも圧倒的な力を持っている。
時を止める力なんて、言ってみれば最強の能力です。
承太郎も時を止める力を得ますが、DIOのそれとは比較にならないわけですよ。
でも、知恵を振り絞ってあきらめずに戦い、最後には勝つんです。
「そこにシビれる! あこがれるゥ!」なんですよ(笑)。
私は漫画家の先生達を育ての親のように思っていますが、荒木先生は間違いなくそのひとりですね。

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※週刊ファミ通 2012年6月14日号より

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