October 28, 2012

■志倉千代丸氏「ファンタジーにちょっとだけリアリティーを与えると途端に物語が身近になるんです」

DSC00130志倉氏が手がける作品

PS3版
ROBOTICS;NOTES (通常版)

Xbox360版
ROBOTICS;NOTES (通常版)



『シュタインズ・ゲート』は『バック・トウ・ザ・フューチャー』から生まれた!?

僕は、『バック・トウ・ザ・フューチャー』のファンなのですが、とくに「part2」がいちばん好きですね。
この映画は、タイムマシンを題材にした物語で、1作目の場面に、再び主人公が時間を遡って向かうんですよ。
そこでの出来事が、1作目のシーンとつながっていて、伏線をちゃんと回収しているんです。
その点がとてもゲーム的だな、と。
1989年の公開当時、10代だった僕は「おもしろいと思うネタが全部入っているな!」とワクワクしながら観ていました。
エンタメのおもしろさのハードルが、一気に高まった作品ではないかと思います。
ファンタジーでありつつ、ギリギリ現実的に納得できるあたりの線引きもちょうどいい。
「シュタインズ・ゲート」も、このときの娯楽体験が原動力になっています。
ただ、僕だったら、たとえばゴミでタイムマシンが動くようになったところに、”なぜそうなったのか?”という注釈を入れているかもしれませんね。
ファンタジーにも、どこかにほんの少し、科学的裏づけを盛り込みたいんです。
それでやりたいことをやったのが、『シュタインズ・ゲート』でした。
作品では、どんな理論や原理でも作れてしまうので、実在する理論を持ち込むことで、リアルで身近な物語にしたかったんです。

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作品を作るときのお手本になる映画『ジュラシック・パーク』

この映画は、恐竜が出てきた瞬間、数学者のマルコム博士の驚く顔が印象的でしたね(笑)。
当時、高性能なPCで恐竜のCGをリアルに描くことに、さまざまなところがチャレンジしていたのですが、本作は圧倒的でした。
いったい、この作品によってCDの進化が何年早まったんだろうと思ったくらいです。
CGの認識を一気に書き換えてしまった作品ですね。
プロモーションも凝っていて、トレーラーでは極力恐竜を出さないことで、あくまで映画館でのファーストインパクトを重
視していました。
あえて見せずに「いったいどんなものなんだろう?」と、一気にみんなの興味を惹きつけていましたよ。
また、蚊の化石から恐竜の血液のDNAを採取して復活させる、というアイデアが秀逸です。
これも、ファンタジーにちょっとしたリアリティーが加わっていることで、物語を身近に感じられました。
『ジュラシック・パーク』は、科学的な意味でのリアリティーとファンタジーのバランスが秀逸で、僕が作品を作るときのお手本になっている映画です。

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MZ−2000の『ミステリーハウス』がゲーム制作の原点

小学6年生のときに、MZ−2000というマイコンでプレイしたのが『ミステリーハウス』でした。
遊ぶものをあまり買い与えてくれなかったきびしい両親が、なぜか唯一、MZ−2000だけは買ってくれたんですよ。
これを手に入れて、「ミステリーハウス」をプレイしなかったらいまの僕があったかどうか。
そういう意味では感謝しています。
それまでは、街の電気屋に置いてあるマイコンでゲームのプログラムを打ち込み、遊んでいましたから(笑)。
「ミステリーハウス」は、ビジュアルのあるアドベンチャーゲームとしては世界初の作品です。
いまの仕事に就いているのは、間違いなく本作の影響で、原点中の原点ですね。
コンピューターが、自分の入力したことに応えることに、すごく感動を覚えました。
ですから、アドベンチャーゲームには、並々ならぬ思い入れがあるんです。
ただ、大げさな言いかたかもしれませんが、アドベンチャーゲームの基本って、『ミステリーハウスjから劇的に進化したかというと、そうでもない気がするんですよ。
そんな、もっとも進化していないジャンルだからこそ、アドベンチャーゲームは、まだまだ多くの可能性を秘めていると思うし、チャレンジしがいがあるジャンルだと感じています。

ミステリーハウス



※週刊ファミ通 2012年6月14日号より

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