October 20, 2012

■松野泰己氏「墓場に1本だけ持っていけるとしたら僕は問違いなく「ゼルダ」を選びます」

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松野氏が手がける作品
GUILD01 (ギルドゼロワン)


『アルゴ探検隊の大冒険』はファンタジーの原体験

僕は新潟県の雪深いところの出身なのですが、冬場は雪が積もって壁のようになってしまうので、なかなか外で遊ぶことが難しいんです。
幼いころは家庭用ゲーム機自体がなかったので、テレビぱかり見ていた記憶がありますね。
そんなときに出会ったのが、この「アルゴ探検隊の大冒険」です。
ギリシャ神話のひとつをモチーフにした作品で、特撮監督として有名なレイ・ハリーハウゼンが手掛けています。
彼は、俳優の実写映像とミニチュアのコマ撮りを組み合わせた”ダイナメーション”という手法で知られていて、僕もそれを真似て、ミニチュア作りをしました。
針金と粘土で人形を作って、物語を考えながら遊んでいた記憶があります。
ハリー八ウゼンの影響はとても強く、たとえばスケルトンというモンスターは非常に有名ですが、僕のなかでは「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」ではなく、ハリーハウゼンのスケルトンが真っ先に思い浮かぶんです。
これはメデューサなどもそうで、彼が作った映像が、僕のイメージのベースになっていることは間違いありません。
ちなみに、映画はいまでも好きで、年間に60本ぐらいは観に行っています。
そうして刺激を受けることで、物作りに活かしているんです。

アルゴ探検隊の大冒険 [DVD]
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友情、努力、勝利の『三銃士』に胸をときめかせた

小学校低学年のころ、父親が子ども向けの文学全集を買ってくれました。
その中で印象に残ったもののひとつが、この『三銃士』です。
デュマの原書は、フランス王宮を巡る陰謀に主人公のダルタニヤンと三銃士が立ち向かう話で、きな臭い部分もありますが、基本的には友情、努力、勝利という、「週刊少年ジャンプ」的な物語(笑)。
それが、児童文学ということで子ども向けにアレンジされていて、読みやすかったんですよ。
全集には、ほかにも「宝島」や「トム・ソーヤーの冒険」などがありましたが、いつも情景を思い浮かべながら読んでいたことを覚えています。
『三銃士』は原書も読みましたし、映画化された作品も観ました。
1970年代の『三銃士』と『四銃士』は、テレビで観てフェンシングのシーンに興奮しましたし、昨年の「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴインチの飛行船」も、愛すぺきバカ映画として楽しませてもらいました(笑)。
三銃士は、中世や近代をモチーフにしたものが多い僕のゲームに、影響を及ぼした作品の一つです。

三銃士 上 (角川文庫)
三銃士 上 (角川文庫)



ゲームデザインを教えてくれた『ゼルダの伝説』

『ゼルダの伝説』は、先輩の家で遊びました。
そのとき僕は大学生で、サークルの先輩や友人たちとよく麻雀を打っていたのですが、メンツが5人以上揃うと、誰かが待ちますよね。
待つ人間は、たいていファミコンで遊んでいて、そのソフトのひとつに「ゼルタの伝説」があったんです。
遊んでみたらものすごくおもしろくて、麻雀そっちのけで『ゼルダ』ばかりやっていました(笑)。
それまではファミコンもディスクシステムも持っていなかったのですが、ハマりすぎて、バイト代をつぎ込んですぐに買いましたね。
でも、当時はインターネットがなく、まわりにゲームをやる友人もいなくて(苦笑)。
ひとりでマッピングをしながらの攻略に限界を感じ、雑誌から情報を得ていました。
ゼルダの良さは、壮大な冒険をする気分が味わえるという点にあると思います。
単なるステージクリアー型のアクションゲームではなく、謎や仕掛けについて悩み抜いて、それが解けたときにスッキリするというゲームデザインもすばらしいですよね。
僕はいま、ゲーム作りを仕事にしていますが、悩ん
だときは必ず「ゼルダ」に立ち返るようにしています。
墓場に1本だけゲームを持って行けるなら、絶対にゼルダを選びます。

ゼルダの伝説 【ファミコンディスクシステム】
ゼルダの伝説 【ファミコンディスクシステム】

ファミコンミニ ゼルダの伝説1
ファミコンミニ ゼルダの伝説1




※週刊ファミ通 2012年6月14日号より

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