September 21, 2012

■伊津野英昭氏 「子どものころのワクワク感をドラゴンズドグマで再現したかったんです

DSC00119伊津野氏が手がける作品

ドラゴンズドグマ(PS3版)

ドラゴンズドグマ(Xbox360版)



『アンタッチャブル』で知った脇役の重要性

子どものころは、『機動戦士ガンダム』や『うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー』といったアニメぱかり観ていました。
学園祭や遠足など、イベント前日の興奮が大好きだったので、学園祭の前日が繰り返される「ビューティフルドリーマー」は僕の理想でしたね(笑)
『アンタッチャブル』が印象に残っているのは、初めて自分の意思で観に行った実写映画だからなんです。
禁酒法時代のアメリカを舞台に、密造酒の製造を牛耳るアル・カポネを逮捕しようとする捜査官たちの活躍を描いた物語で、ショーン・コネリーを始めとする脇役がとにかくカツコいいんですよ。
とくに、コネリー演じる老警官のマローンが死んでしまうシーンは、いまも目に焼きついています。
それまでは主役にばかり注目していたのですが、「アンタッチャブルに触れてからは、必ずしも主役が一番立つ必要はないことに気づいて、物語の味方が変わりました。
そういう意味で、大人の見かたができるようになったきっかけを作ってくれた作品です。

アンタッチャブル スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]
アンタッチャブル スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]



『火吹山の魔法使い』に感じたドキドキをもう一度

当時、『フアンロード』という雑誌を購読していまして、そこで紹介記事を見たのが、「火吹山の魔法使い」との出会いでした。
『Beep』では”RPG幻想辞典”が連載していたり、映画の『ネバーエンディング・ストーリー』が封切られたりと、ファンタジーが日本に入り始めたころですね。
そんなときに、自分が勇者となって文章を読み進め、行動を選択して冒険する、”ゲームブック”なるものが発売されるということで、ワクワクしながら本屋で注文したのを覚えています。
『火吹山の魔法使い』は、少ない挿絵と文章を合わせて読むことでイメージが増幅されて、その場の状況をありありと想像できるリアルさがあるんです。
いつも勇者になりきって、迷宮を探索していました。
僕は、現実世界では無難な選択をしがちなので、逆にこういった物語では、果敢に突撃することが多かったですね。
そのせいで悲惨な目に遭ったり、サイコロの出目が悪くて死にかけることもありましたが(笑)、インチキしたくなる心をグッと抑えて進んでいました。
この本には、行動の選択やモンスターとの戦いといった、数多くのドキドキが詰まっています。
このドキドキをもう一度体験したいという想いが、「ドラゴンズドグマ」の開発の原動力になりました。

ファイティング・ファンタジー「火吹山の魔法使い」 (〈ファイティング・ファンタジー〉シリーズ)
ファイティング・ファンタジー「火吹山の魔法使い」 (〈ファイティング・ファンタジー〉シリーズ)



野球(阪神)好きの血が騒ぐ『プロ野球ファミリースタジアム』

もともと野球が好きで、中学校から高校のころは、昼休みにずっと野球をしていました。
野球部ではなかったのですが、当時の後輩に、「いつも野球をしている人」として覚えられていたくらいです(笑)。
だから、ファミコンの『ペースボール』はずっと遊んでいましたし、『プロ野球ファミリースタジアム』(以下、「ファミスタ」)にも、ハマるぺくしてハマりました。
この初代『ファミスタ』が出たのが1986年で、その前年に僕の好きな阪神が優勝しているんです。
じつは初代「ファミスタ」の阪神(タイタンズ)のメンバーは、歴代のシリーズでいちばん強いんですよ(笑)。
そういうところも好きで、友だちとずっと遊んでいましたね。
「ファミスタ」って凡打を打ったときとホームランのときとでは、ボタンを押した感覚が違うんです。
もちろん、実際にはそんなことはありませんが(笑)、でも、凡打は詰まったような感じがするし、ホームランなら芯に当
たったような手応えがある。
僕がいまゲームでメシを食えているのは、こういった感覚や、子供の頃に強く揺さぶられたものを覚えていて、それをゲーム作りに活かせているからなんです。
もし、この記憶力を勉強に使えれば、もっといい学校に行けたのかもしれません(笑)。

ファミリースタジアム
ファミリースタジアム



※週刊ファミ通 2012年6月14日号より


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