July 14, 2012

■馬場英雄氏 「『サイダーハウスルール』のような温かさを作品で表現していきたいです」

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馬場氏が手がける作品

テイルズ オブ エクシリア2 (初回封入特典:プロダクトコード同梱) 特典 予約特典「オリジナル短編小説「TALES OF XILLIA 2 -Before Episode-」&「設定資料集」付き


正義を問いかける『サイダーハウス・ルール』

これは、思春期の主人公が、大人になる過程でさまざまな葛藤やカペにぶつかり、成長していく過程を描いた作品です。孤児院で育った主人公は、あるきっかけでリンゴ園で働くことになります。
同僚の労働者との交流や恋愛などを通じ、”たとえ、世の中として犯してはいけないルールであっても、ときにはそれを選ぶことが最善の場合もある”ことを学ぶんですね。
僕たちも”正義”が題材と言える作品を作っていますが、何が正しくて、何が正しくないかの判断は、非常に難しいものです。
悩みや大きな想いが、いつの間にか大切な人を傷つけてしまうこともあります。
社会で当たり前とされるルールに従いながら、自分の価値観や強い信念を見つけなければならない。
本作では、このデリケートな問題を、わかりやすく、しかも心にズシンと伝わる描きかたをしているんですよ。
この映画を観て、僕もRPGの物語を作る際、作品のテーマに乗せて、こういったメッセージを発信したいとさらに思うようになりました。
また、決して明るい物語ではありませんが、なぜか温かさを感じられます。
これは、主人公の印象的な微笑みの力もあるのでしょうね。
そういった温かさを、ゲーム制作を通じて伝えていけたらと思っています。
サイダーハウス・ルール [Blu-ray]
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『シービスケット』はとにかく力をくれる

”シービスケット”という見捨てられた馬が、心に傷を抱いた3人の男とともに這い上がっていくという、大恐慌時代のアメリカの実話をもとにした映画で、ケガや騎手のハンデなどの困難を乗り越えていく姿に非常に感銘を受けましたね。
まるで、騎手やシービスケットに気持ちが乗り移ったかのように、のめり込んで観ていました。
レースで勝利する姿には、小さくガッツポーズをしたほどです(笑)。
逆境にくじけそうになっても、踏ん張って、少しずつでも前に進む。
その結果が、ひとつの道につながるのだということを改めて思いましたし、あきらめない気持ちの大切さを感じさせてくれました。
仕事のうえで困難なことがあったり、不本意なことを言われたりという経験が、僕自身にもあります。
でも、この映画が、どんなにつらくても、その場で踏んばらなくてはならないと思わせてくれるんです。
皆さんも、自分の中でどんどん弱い気持ちが広がることがあるかもしれません。
そんなときにこの映画を観ていただくと、弱った心が一転して、「もっとがんばらなきゃ」と思えるような勇気をもらえるんじゃないかな。
力をもらいたいときに、ぜひ観ていただきたいですね。
シービスケット プレミアム・エディション [DVD]
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心の強さを学んだ『かもめのジョナサン』

1羽のカモメ”ジョナサン”が、”かもめのありかたとは何なのか”を考える話です。
自分の翼は、エサを取るためだけではなく、もっと速く飛ぶためにあるのだと思い、
食事も摂らずに飛ぶ訓練をするわけです。
そうなると、まわりの仲間からは何をやっているのか、おかしな奴だと思われてしまいますが、ジョナサンは周囲の目を気にせずに努力を続けます。そして、飛行法を極めたジョナサンは、いわゆる死後と言えるような”つぎの世界”へと旅立つんですね。
探求した答えを見つけて、この世界で自分はもうやることがないと悟ったときに、別の世界へ行く。
ということは、僕たちがこの世に生きているということは、まだ成すべきことが残されているからでは、という考え方を、この本から受け取りました。
目標や信念を見つけて、それを貫くために生きなければならない、と。
また、「見たものすべてが正しいわけではない、心の目で見ることが大切だ」とジョナサンは言います。
真実を見るには、表面的に判断するのではなく、改めて内面を見つめ直すことが大切なんです。
ジョナサンに学んだ考えや、信念を持つことの大切さは、初めてこの本を読んだ中学生のころから忘れられません。
かもめのジョナサン (新潮文庫 ハ 9-1)
かもめのジョナサン (新潮文庫 ハ 9-1)



※週刊ファミ通 2012年6月14日号より

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