不安があってもより人間的な意味を求めて自己実現をしたいという欲望と二つの欲望の方向が存在する。
つまりそのどちらかを選ぶのは彼自身であり、彼は選ぶ自由を有しているといえるのである。
ここでは、彼は、神経質(症)者としての選択を行っているのではなく、一個の自己確立の出来た日常人としての選択の自由を行使しようとしているのである。

以上のようなことを考え合わせると、神経症的体験は、必ずしも人間にとってマイナスとなるものではない。
苦悩・葛藤を通してその人間を深め、視野を広げ、より豊かな自由を目指す人間形成に役立つともいえるのである。
すなわち、神経質(症)の治療は、とらわれからの解法から出発して、人間としての自由へと向かう一連の過程であると考えてもよいのである。


【森田療法 岩井寛 】
4 神経質(症)の治し方 より




森田療法
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